辨 |
アツモリソウ属 Cypripedium(杓蘭 sháolán 屬)には、北半球の温帯・亜寒帯に約60種がある。
C. bardolphianum(無苞杓蘭)
カラフトアツモリソウ C. calceolus(杓蘭) 『中国本草図録』Ⅱ/0946
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア・モンゴリア・シベリア・歐洲産
C. cordigerum(白唇杓蘭)
C. corrugatum(兜蘭・縐枸蘭)
コアツモリソウ C. debile(對葉杓蘭・二葉蘭) 『中国本草図録』Ⅶ/3444
C. elegans(雅致杓蘭)
C. fargesii(毛瓣杓蘭)
C. farreri(華西杓蘭)
C. fasciolatum (大葉杓蘭・蜈蚣七) 『中国本草図録』Ⅶ/3445
ウンナンキバナアツモリソウ C. flavum(黃花杓蘭)
『雲南の植物Ⅰ』266・『雲南の植物』48・『中国本草図録』Ⅷ/3951
タイワンクマガイソウ C. formosanum(C.japonicum var.formosanum;
臺灣杓蘭)
C. forrestii(玉龍杓蘭) 『雲南の植物』50
C. franchettii (毛杓蘭・牌樓七) 『中国本草図録』Ⅶ/3446
チョウセンキバナノアツモリソウ C. guttatum(紫點杓蘭・小口袋花)
『雲南の植物』51 『週刊朝日百科 植物の世界』9-250
『中国本草図録』Ⅲ/1448 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
C. henryi (綠花杓蘭・龍舌箭・金龍七) 『中国本草図録』Ⅸ/4445
C. himalaicum(高山杓蘭)
クマガイソウ C. japonicum(扇脈杓蘭・扇子七) 『中国本草図録』Ⅶ/3447
キバナクマガイソウ f. urasawae
ヒタチクマガイソウ var. glabrum
C. lichiangense(麗江杓蘭)
C. ludlowii(波密杓蘭)
アツモリソウ(広義) C. macranthos
レブンアツモリソウ var. flavum(var.rebunense)
ホテイアツモリソウ var. macranthos(var.hotei-atsumorianum;
var.maximum) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
アツモリソウ var. speciosum(C.thunbergii;
大花杓蘭・大口袋花・蜈蚣七) 『中国本草図録』Ⅲ/1449)
シロバナアツモリソウ f. albiflorum
ウズラバアツモリソウ C. margaritaceum(斑葉杓蘭・蘭花雙葉草)
湖北・四川・貴州・雲南産
『雲南の植物』50 『中国本草図録』Ⅶ/3448 『全国中草葯匯編』下/164
C. micranthum(小花杓蘭)
C. plectrochilum(離萼杓蘭)
C. plectrochion(離瓣杓蘭・離萼杓蘭) 『雲南の植物Ⅰ』267・『雲南の植物』55
タイワンキバナアツモリソウ C. segawae(C.reginae var.segawae;
寶島杓蘭)
ドウトウアツモリソウ C. shanxiense(山西杓蘭)
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
C. smithii(褐花杓蘭)
C. subtropicum(暖地杓蘭)
C. taiwanalpinum(奇葉杓蘭) 臺灣産
チベットアツモリソウ C. tibeticum(西藏杓蘭・敦盛草)
『雲南の植物Ⅰ』266・『雲南の植物』53・『中国本草図録』Ⅶ/3449・
『週刊朝日百科 植物の世界』9-250
アイノコアツモリソウ C. × ventricosum(C.macranthos var.ventricosum;
東北杓蘭) 樺太・朝鮮(北部)・大興安嶺産
C. wardii(寛口杓蘭)
C. wumengense(烏蒙杓蘭)
キバナノアツモリソウ C. yatabeanum(C.guttatum var.yatabeanum;
黃鈐杓蘭)
C. yunnanense(雲南杓蘭) 『雲南の植物』54
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ラン科 Orchidaceae(蘭 lán 科)については、ラン科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ敦盛草ノ意ニシテ其囊狀脣瓣ヲ平敦盛ノ負ヒタル母衣ニ擬シテ斯ク名ケ之レヲシテ熊谷草ニ對立セシメシナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。 |
『大和本草』に、「敦盛 ・・・花紫ニシテホロカケタルカ如シ」と。 |
説 |
北海道・本州(中部以北)・臺灣・山東・河北・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア・シベリア・ヨーロッパロシア・ウクライナ・ベラルーシに分布。 |
全国では絶滅危惧ⅠB類(EN)、東京・埼玉・神奈川では絶滅。 |
誌 |
中国では、根・根茎及び花を蜈蚣七(ゴコウシチ,wúgongqī)と呼び、薬用にする。『全國中草藥匯編』下 p.656 |
『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 春之部」に、次のようにある。
布袋草 末。 花形丸クして、宛子安貝の形なり。色うすむらさき、葉も二まいづゝ出て、花ハ一りんづゝ咲。
敦盛草 末。花形ほてい草ニ似て、異有。ほろかけたるごとく紫、葉も段々付ク。
熊谷草 末。あつもり草の、花うす白キ物。
一説に、この布袋草とは、ホテイラン Calypso bulbosa という。 |